堀井裕子会員が、堀田顧問が主宰する瓢蟲社のメンバーと作品展を開催中だ。
気心が知れたメンバーの中で、個性をぶつけ合い、切磋琢磨しながら創り上げてきた「作品」たちが会場を埋め尽くす。
その作品は三者三様ではあるが、不思議と被写体との距離感が似ている。以前、堀井裕子作品「下北半島ものがたり」の ”被写体とのディスタンス(距離感)”について触れたが、今回の三人展にも共通するそれは、実質的なカメラとの距離ではなく、心理的な隔たりを超えようとする行為によるもの、言い換えれば、人や物や場所との関係の本質に迫ろうとする彼女たちの姿勢、そこから生まれてくるものなのだろう。
「昔姫三人展」は、これまで5年に渡る展覧会開催を重ねてきたが、今回が最終回だという。たくさんのファンを持つ彼女たちのこの決定に、寂しい想いをされている方々も少なくない。しかし、馴染みの場所とメンバーという環境を一度リセットすることで起こる変化、それは、それぞれの昔姫の中の「写真家」を育てていくことに違いない。彼女たちは、自分の中の「写真家」を育てる決断をしたのだ。
瓢蟲社 同人 / 「昔姫三人展」
大嶋丁未子 高橋洋子 堀井裕子
於:かなっくホール ギャラリー(神奈川区民文化センター)
10月20日(日)まで
10:00~17:00(最終日16:00)
2019.10.17
記 : 棚井文雄