秋の籔本近己氏の写真展が開かれた。
今回は二つの部屋を使っての合同展で、一つは、「2020写GIRL展」の関西代表藪本氏が企画した展示で、その会長を含む有志12名のグループ展であり、他の部屋は籔本氏の個展であった。
グループ展の方は今回のコンテストで、選外だったメンバーの粒よりの力作を集めて「なんで(選外)やねん」展で、解語の花(女性)を愛するつわ者どもの吠えるパワーを感じるなか、華やかなA2サイズで満たされた色香の空間であった。
他方籔本氏の今回の作品群は花と女性の多重像で、多重を「かさなり」というイメージで仕上げられており「このかさなり」を現代に在ってfilm多重した、というから慣れたとはいえその試行錯誤の苦労の度合いが伺える、音楽でも独唱やコーラス・オーケストラがあるように、写真もその表現方法は無限であり、四季の花々と女性美の多重はモデルが「花の精」に妖変して、見る人をファンタスティックの次元に心地よく誘ってくれる感があった。