従来からの「軌跡をたどる」シリーズのfinalと題した、籔本近美氏の個展がこの夏も展示されていた、コロナ禍の中でも従来からの姿勢を崩さずシリーズを貫徹されたこの展覧会は写真家としての生き様を毅然と顕されていた。A2サイズを中心に32点全てご自身でプリントされカラーは勿論白黒も深みのある優れたトーンでラボ仕上げの品格がありその技量の深さを物語っている。final展としてか従来調の女体ばかりでなく撮影場所周辺や旅情を表す作品もありPortraitCollectionの意味合いが白い壁の対面型・通路型のギャラリーに巧くマッチさせ訪れてこそ味わう鑑賞感を盛り上げていた、次にはまた新たなシリーズを構想されるのか?気になるところであるが、続いて「FilmSwap」「かさなり」と題した多重イメージの女体群像の個展を同ギャラリーで7月末に準備されている、猛暑を飛ばす感嘆のハイ・バイタリティの写真家である。
記&photo:藤本光浩 HJPI320610000791