ニューヨーク物語14 「ニューヨークの美味しいビール」
ニュースなどでご存知かも知れませんが、今夏のNYは冷夏とも言われ、せっかく取り付けたクーラー(ニューヨーク物語7)の出番も少ないままです。
ニューヨークに来て本格的にデジタルカメラを使いはじめたわけですが、同時に晴れた日に撮影に出かけることが多くなりました。その為、この季節に数時間街を散策していると日焼けを避けることは出来ず、ちょっと油断するとすぐに肌がボロボロになります。ニューヨークは、日本よりも紫外線量が多いのです。今年は、積極的に日焼け止めスプレーを使ってはいますが、日本製のようなドライ感はなく、吹き付けると顔はテカテカになり、やがてカメラのファインダーやモニターがヌルヌルしてきます。ついつい手ぬぐいで顔の日焼け止めを拭ってしまいがちです。まぁ、そんな日のお風呂上がりのブルックリンラガー(1)は最高ではあるのですが…(笑)。
今日は、ニューヨーカーたちと日本食レストンで食事をしてきました。初めて食した、というニューヨーカーにも「イクラおろし」は好評でしたが、「たこわさ」は賛否両論。僕はといえば、以前自分で醤油漬けにしたシャケ1匹分のイクラを思い出し、「山盛りのイクラ丼を思いっきり食べたい! 」と心の中で叫んでいました。また、何でも食するのは中国か、はたまたフランスかという話題で盛り上がりました。僕は断然中国だと思っていたのですが、ニューヨーカーからするとフランス人も考えられないものを食していると感じるようです。確かに、犬にしても中国だけでなく韓国でも食べられてきた訳で、エスカルゴ、カエル、ウサギ、馬などのフランス食材もジビエのイメージと共にバラエティに飛んでいる印象を与えるのかも知れません。しかし、かつて広州(中国)の馴染みのレストランで、ネズミや猫を勧められた経験がある僕としてはやはり中国に一票を投じます。
実は、この食事会に参加させてもらったのには理由があり、かねてから岩崎勇氏に氏の写真集「蔵・桜」(ニューヨーク物語 10)をあるご夫婦に渡して欲しいと託されていました。岩崎氏からこの話があった際、「自分の写真集が海を越えて行くなんて思いもしなかった」という内容の手紙をいただき、何か良い機会がないかと模索していたのです。今回はアート関係者との食事会ということで、急遽そこに参加させてもらいました。この写真集を知人夫婦のみならず、業界関係者にも紹介出来たことは大変素晴らしいチャンスに恵まれたと思います。
また、渡辺澄晴氏にも、氏の写真集「ワシントン広場の顔」(ニューヨーク物語11)をかつて書評が掲載されたことのあるニューヨークタイムズ誌に持ち込んで欲しいと頼まれており、しばらく時間はかかってしまいましたが、先頃やっとのことで担当者を探し出して預けてきました。
写真作家として純粋に制作に取り組む両氏の夢、その思いを無事に繋ぐことが出来て、今夜のブルームーン(2)はいつもより美味しく感じます。
(1)ブルックリンラガー
苦みとフルーティな香りを兼ね備えたニューヨークの地ビール
(2)ブルームーン
ベルギー産小麦&バレンシアオレンジピールを使用したビール
2014.8.21